20代の人、新卒の人が職場環境の良くない会社に入ってしまうと、労働基準法の知識も少なく、辞めたいけど辞められない、引きとめられて押し切られてしまうという状況になってしまうこともあるかもしれません。
これは、僕が経験した状況でした。
労働者と雇用主(経営者)との間には、ただの労働契約であっても、どうしても力関係が出来上がってしまうもの。
僕たちのような職務経験の浅い20代の人だと、どうしてもそれが顕著に現れてしまいます。
貯金ができていない状況だと弁護士を頼るのも負担が大きく、家族にも相談しにくいという人もいるかもしれません。
それに僕のように繊細で内向的な性格の人にとって、上司が理解のない人だと「会社辞めます」というのが難しくて、苦しい中でも続けてしまうという人も少なくないのではないでしょうか。
でも、きちんと手順を踏んでいけば、若くて知識がない僕たちのような状況からでも、”会社を無理なく辞めること” はできます。
今回は、僕が実際に経験した、国の制度を使って無料で弁護士に相談をして、環境の悪い会社から脱出した方法をご紹介します。
「弁護士」というだけで敬遠してしまうこともあると思います。この記事では、僕が体調崩した会社から逃げるために出会ったいくつもの選択肢についても書いていきます。
各自状況が違うので、この通りにやれば必ずしも上手くいくというものではありませんが、ご自身の状況と照らし合わせて、参考になるところがあれば嬉しいです。
目次
専門家を使わざるを得なかった “当時の僕の労働環境”
僕がいたのは、あまり大きくない会社。パワハラなど環境はお世辞でも良いとは言えない環境だったので、社員はみんな自分を守ることでいっぱいという感じでした。
僕は上から怒鳴られることも何度かあり、体調を崩しかけていました。
(その時の状況はこちらから読めます
→仕事が辛くて泣く!?新人の僕が耐えられず”半うつ”になった会社員時代)
勇気を出して上司に話をして退職願を提出しても、人手が足りない会社だったので、「そう簡単に辞めさせないぞ」という対応をされてしまいました。
退職の意思を伝えたことをなかったことにされてしまっていたのです。
経営者の人は労働関係の法律をきちんと勉強している人であれば、社員の引き留めの仕方は手慣れたものということもあるので、グレーゾーンぎりぎりを攻めて引き留めをしてくるということもあるかもしれません。
僕は「このままだと体調を大きく崩してしまう」という思いで、とにかくその環境から離れないといけないと考えていました。
相談先はこんなにあった!まずは相談してみよう
そこで、まず僕が電話で相談したのは、
- 都道府県の弁護士会
- 法テラス
どちらも無料で法律相談をしている組織です。
弁護士会に電話した時、「できるだけ早く相談をしたい」と伝えると、予約が埋まっていてすぐには取れない状況だったので、その時は他の無料で労働問題の法律相談に乗ってくれる場所を教えてもらいました。
そのあと、無料相談できる弁護士事務所に直接予約をして訪問したり、法テラスの無料相談にも行きました。
他にも労働問題で困っている時に相談できる場所はたくさんあります。
なので、職場の問題を背負っているのであれば、まず連絡してみるのも良いです。
以下、相談できる場所をいくつか挙げていきます。
・日本労働組合総連合会(https://www.jtuc-rengo.or.jp/)
・全国労働組合総連合(http://www.zenroren.gr.jp/jp/)
・全国ユニオン(https://www.zenkoku-u.jp/)
「労働 無料相談」と検索してみると他にもいくつも相談できる場所が出てきます。
「もう無理!」と思う前にまず連絡してみると良いのではないでしょうか。
僕が弁護士を探した流れをご紹介
僕の場合、まず最初に相談したのは都道府県の弁護士会でしたが、その無料相談で予約がすぐ取れませんでした。
なので、次に法テラスの制度が使える弁護士事務所の中から労働問題の経験がある人を選んで予約を取りました。
(法テラスを利用できると、条件に当てはまれば3回まで相談が無料になりました。)
その時僕が弁護士を探したのが、「弁護士ドットコム」というサイト。
(クリックすると、弁護士ドットコムへ飛びます。)
↓「弁護士を都道府県から探す」から住んでいる都道府県を選択。
↓そして、「労働問題」をクリックすると、該当する弁護士の名前が出てきます。
↓さらに、法テラス利用したい場合は、パソコン画面の場合は左側に表示されている「お支払い方法」から「法テラス利用可」にチェックを入れて「さらに分野を絞り込む」を選択します。
法テラスを利用したい場合は、その旨を弁護士のネット予約を取る際に伝えておきます。
僕はここでまず法テラス利用で無料相談できると書いてあった1人選んで会ってみて、その後に法テラスの無料相談の予約をとりました。
そして、最終的には後者にお願いすることにしましたが、それでも良い人が見つからなかった場合は次の人も会ってみることを考えていました。
弁護士選びは、労働問題でもとても大事だと思います。
自分1人で弁護士と話すのが不安な場合は、必ず家族など近い人と一緒に相談にいきましょう。
次に、僕がどういう基準で弁護士を選んでいったのか書いていきます。
僕が考えていた “弁護士選びの基準” とは
僕のように繊細で内向的な性格の人にとっては、より弁護士選びは重要でした。
僕が最初に会った弁護士の先生はかなり強い人で、戦う姿勢が強かったです。
僕の勝手なイメージかもしれませんが、法律を扱う人って強い人が多いのかもしれません。
法廷で勝たないといけなかったり、強い人たちと交渉していくには気持ちが強くないとやっていけないと思います。
しかし、「会社側がどういう対応をしてきてもまず自分で押し切ろう」ということを言われる弁護士だと、「それができなくて困っている」という人だっています。
(実際に、内容証明郵便で退職届を送れば、法律的には問題なく会社を辞めることはできます。)
2人目の先生は物腰柔らかで、一つ一つの悩みにとても共感してくれる人でした。
それで丁寧に問題を分解しながら対応を一緒に考えてくれたので、僕はその人にお願いすることにしました。
自分が体調崩すほどの問題を相談しようとしているのに、自分が信頼できる人でないと安心して任せられないですよね。
あと、会社を辞めるというのは、支払われていない残業代を取り戻したりしない限り、弁護士報酬は高くならないこともあるので、やりたがらない人もいるんだなあということも思いました。
友人や家族の知り合いで弁護士をしている人がいれば、労働問題の経験少なかったとしても、そういう人も良いかもしれません。
貯金がない場合は法テラスを利用すれば無料になることも
20代の人や新卒の人は貯金ができていないという人も少なくないのではないでしょうか。
そういうときは、法テラスを利用すると良いかもしれません。
(収入や資産などによって利用条件があります。)
僕の場合は条件に当てはまったので、3回まで相談料が無料になりましたし、法テラス利用の料金で進めてもらうことができました。
さらに、支払いについては国が立て替えてくれて返済は分割でしていくことができますし、利子とかはないです。
法テラスの人に言われましたが、「今月無理」という時は、伝えれば条件によっては遅らせることもできるのだそうです。
あと、体調を崩している場合はその証明があれば、弁護士の先生が法テラスに申請してくれて着手金や成果報酬を全て国が支払いをしてくれることもあるのだと言われました。
“退職代行サービス” と “弁護士” どちらを使う!?
今はやりのサービスで、ニュースで聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
これは基本的に退職の意向を会社側に伝えてくれるサービスです。
なので、交渉など法的なことはできないので、そこは状況に合わせて使わないといけません。
退職代行サービスをしている弁護士事務所もあります。
そういうところであれば、退職代行サービスである程度費用を抑えておいて、交渉をしないといけないようなら使うということもできるのかもしれません。
「退職代行サービスを使う人の数がこんなにいるのか」と思うほどだというので、同じような状況の人がそれだけいるということに驚きとともに、自分だけじゃないんだという安心感も芽生えますよね。
「環境悪い会社から逃げる」時に弁護士に提示された『2つの選択肢』
体調を崩していましたし、それ以降その会社には一切関わって欲しくなかったので、労働系の専門家や弁護士、医師、友人からもその会社と完全に絶った方が良いということを言われていて、僕自身もそうするべきだと考えていました。
なので、そのあとに「今後会社との利害関係は全くない」という合意文を代理人同士で作成しました。
その時に弁護士から提示された選択肢は、
- 弁護士の名前で警告文を送って適正に処理するように内容証明郵便を送る
- さらにそのあとの合意文作成までの交渉までを行う
体調崩す前に逃げよう!逃げ方は1つじゃない
僕たちのような若い人ほど専門家を交えた方が良いケースはあると思います。
雇用主と社会に出たばかりの人では労働の知識に差がありすぎて、経営者側が悪いことを考えていると自分一人では太刀打ちできないケースも。
しかし一方で、会社との間に家族が介入して会社と縁を切るケースも聞いたことがあります。
必ずしも専門家を使う必要があるとは限らないのです。
僕たちのような繊細だったり内向的な人が「会社が辛い」という場合は、家族や友人、無料相談を行なっている場所など周りの人をできるだけ多く巻き込んでたくさん相談して、状況を共有してもらうことが大切です。
体調を崩してくると、視野が狭くなって選択肢が見えなくなってくることもあります。
『自分自身を蝕んでくる環境から逃げる』という経験は、僕はその当時は本当に辛かったですが、次に進んだときに大きな財産となりました。
こういう経験はそこからの人生の糧になるので、『仕事が辛い』と思っている場合は職場変えるべきか考えて、早めにアクション起こすのが良いかもしれません。
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