繊細な人にとって、職業選択の問題は本当に悩ましいものです。
会社って、人との関わりの中で働いていかないといけないので、僕たちのように他者との境界線が薄いとすぐに疲弊してしまいます。
繊細でないタフな人が何人もいる職場だと、数ヶ月で体調を崩してしまうケースだってあります。
では、僕たち繊細な人が続けられるお仕事を見つけるには、どうすれば良いのでしょうか。
繊細な人が力を発揮するには、僕たちが既に持っている “あるもの” を使うこと。
そして、繊細な人の『天職』は、”ある要素” に支えられていることが必要だったのです。
この記事では、僕自身が『繊細さ』と向き合う経験から、『働けないほど繊細な人が天職を見つける方法』について考えていきます。
HSPで『繊細な人』と一口に言っても、当てはまることも当てはまらないこともあると思います。
ご自身の気質や今抱えている悩みなどに合わせて、興味のあるパートから読んでいただければ嬉しいです。
目次
- PART1 : 自分自身が『繊細さ』と向き合う
- PART2 : 他者との関係の中で『繊細さ』と向き合う
- PART3 : 繊細すぎる僕たちの『5つの特徴』から『適職』を考える
- PART4 : 繊細すぎる僕たちの『経済的自立』を考える
- PART5 : 繊細な人が力を発揮する『天職の見つけ方』を考える
- PART6 :『時代性』から繊細な人の活躍の場を考える
- PART7 : 『働けないほど繊細な人』が才能を生かすことができる『天職』とは
PART1 : 自分自身が『繊細さ』と向き合う
「HSP」とは、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した「Highly Sensitive Person」”とても繊細な人” を表します。
「内向型」の人の特徴と重なる部分は多いですが、HSPの人の中でも内向型の人は約7割。約3割の人は外向型です。
この記事では、内向型HSPについて書いていきます。
『繊細な人』は5人に1人という少数派。
会社など集団の中では、繊細であってもそれを表に出さないようにしている人もいるので、周りで同じような人を見つけることが難しく、自分自身に異質なイメージを持ってしまうこともあります。
まずは自分自身の『繊細さ』と向き合うことが大切です。
1-1. 僕たちがHSPを知るタイミング
HSPの気質を持つ『繊細な人』は5人に1人と言われますが、こういう少数派の気質を知ることになるのは、大抵の場合、集団に入ったときが多いのかもしれません。
例えば、社会に出たタイミング。
日本だと特に大きい企業とかに入ると、集団で住み込み研修する会社もあります。
繊細な人に必要な『1人になって刺激をシャットアウトする時間』が取れなくなると辛いですよね。
一斉行進することが多い日本社会。特に20代の頃は、みんな同じ行動をすれば人それぞれの違いが見えやすくなりますし、会社では上司の評価やキャリアプランの作成、自分見直しシート書かされたりすることで、適応するように向けられてしまうこともあります。
他にも、中学や高校進学で環境が変わったり、結婚などで新しい環境に適応しないといけない場面に直面して、自分を見つめ直すことで気づく人もいるかもしれません。
このように、適応しないといけないのに適応できず、悩み、調べているうちにHSPにたどり着く方もいるのではないでしょうか。
1-2. HSPという不確定な気質とどう向き合えば良いのか
HSPは “気質”。なんともやるせないですよね。
神経症とか自律神経系の疾患とか言ってくれれば病院探して主治医見つけてアドバイスもらうとか考えられますが、”気質” と言われてもどう対処して良いのか考え込んでしまいます。
僕がHSPというものを知ったときから情報を集めているのが、数冊の本とインターネット上のブログで書かれている情報。多くの人がそうだと思います。
ここ数年でHSP関連の本が書店に並ぶようになって、ブログで書く人も増えています。
なので、繊細なことで起こることへの対処の仕方をまとめてくれている本もありますし、これから少しずつ少しずつ広まっていくのだと思います。
今はインターネット使えますし、ここのようなブログにたどり着いてくださるあなたのような方もいます。
色々なブログを読む中で、「自分と同じだ」と安心することもできます。
本やブログを読んだりしてHSPと向き合いながら、HSP仲間で共有していけたら良いなあと思います。
1-3. HSPの気質に対する不安が小さくなった方法
ステップ1『知る』
HSPという言葉にたどり着いている人は、すでに本やブログでたくさん読んでいる人も少なくないと思います。
僕も本読んだり他のHSPの人の言葉をインターネット上で読みながら、だんだんと自分のHSPの特性についてより深く理解できてきました。
こんなにも同じような人がいることに安心しましたし、他の人がしている対処方法や考え方も知ることができました。
こうやってだんだん知っていくことで、生きやすさに近づいていくことはできると思います。
それに、自分が理解していないと周りの人になぜそれが辛いのか説明することもできないです。
自分で理解を深めていくことで、自分の環境を作っていく一歩を踏み出すことができるのです。
ステップ2『受け入れる』
その特徴を知った次に僕がしたことは、自分自身のことを受け入れることに努めたこと。
学生時代は周りと違うと弊害ばかりで、苦労しました。
いつも周りの刺激に疲れ果てていて、体調崩して休んで先生に怒られたりしたときはとても嫌でした。
でも、社会に出るとライフスタイルを選べるようになります。
繊細な人は環境に適応しようとするのではなく、自分に適した環境を探すように進んでいくとうまくいき始めます。
自分自身の繊細な気質をよく理解して、認めてあげて、強みにしていく気持ちが大切です。
認めてあげた上で、どうしても適した環境が見つからなければ、今は個人でバイトぐらいの収入を得ることはできるようになります。
働き方&生き方が多様化していく今では、受け入れるどころか今やレアカードを引いたぐらいに思っていても良いのだと思います。
1-4. HSPの人が心配しがちなこと「相手に伝える?」
家族や恋人、友人など周りの人に伝えて良いものか迷う人はいると思います。
ただでさえ気質という、僕たち本人にとっては大きなものでも、それが必ずしも周りの人から見て同じように映るとは限らないかもしれません。
だからこそ、言って良いものか悩むのかもしれません。
これは、後の項目で「心の境界線を守るために僕が気をつけている3つのこと」でありますが、「課題の分離」によると、伝えるか&どう伝えるか決めるのは僕たちHSPの人の課題で、それをどう捉えるかは聞いた人の課題。
僕たちは相手がどう捉えるかに足を踏み入れることはできないので、自分ができることに集中します。
それ以上に大事なのは、”HSP” というものではなく、自分自身がまずそれを認めてあげて、その特性を理解する上で自分のことをよく知っていき、もし必要があれば、その一つ一つの自分自身の気質を少しずつ伝えていくことかもしれません。
PART2 : 他者との関係の中で『繊細さ』と向き合う
自分自身の中で腑に落としたら、周りの人との関係の中でどのように『繊細さ』と向き合っていくのか考えていくと良いのではないでしょうか。
刺激に弱い繊細な人と刺激に強い人の間には、脳の伝達系に違いがあることが明らかになっています。
僕たちのような繊細な人は、外部からの刺激を感じ取りやすいので、「心のバリア」が薄く、周りからの刺激に脆いということがあります。
なので、繊細な人が会社などでタフな人たちと関わっていくのは大変なことでもあるかもしれません。
この章では、僕たちがどのように会社などの集団の中で『繊細さ』と向き合っていけば生きやすくなっていくのか考えていきます。
2-1. 心の境界線を守るために僕が気をつけている3つのこと
その1:「課題の分離」を心がけて「他者の課題」に踏み込まない
僕は「嫌われる勇気」という本で「課題の分離」という考え方を知って以来、いつも気をつけるようにしていますが、繊細な人には必須の考え方です。
課題の分離とは、自分の課題なのか、相手の課題なのか、きちんと分けること。
それで誰が最終的に責任を負わなければならないのか考えて、もし相手の課題なら、それを奪わないようにすること。自分の課題にフォーカスすること。
自分が変えられないことに介入せず、自分の手の届くことに集中するのです。
とは言っても、僕はそれでもまだまだくよくよ考えてしまうことが多くて、悩み始めたら「これは相手の課題で、ここまでが自分の課題!」というように自分でその都度確認するようにしています。
それでもこの考え方を自分の中で腹落ちするまで考えておくだけで、だいぶ楽に過ごせるようになりました。
その2:「自分で決めたことなら何があっても後悔しない」と決めること
自分の課題に集中していても、僕の場合、終わったことにも「あのときああだったかな」「あの人にこう思わせてしまったかもしれない」と後から色々なことを思い出して考えてしまうことがあります。
そういうとき、僕は「自分で決めたことなんだから、何があっても後悔しない」と確認します。
そういうルールを自分の中で作っています。
それで、そこから連想されるあらゆる可能性の思考を止めます。
その3:頭の中にあるコトを全てノートにはき出す
その日にあった出来事から色々なことを考えてしまうため、こういうこともしています。
それは、考えていることや覚えていることを全てノートにはき出して、頭の中をクリアに保つこと。
そして、はき出したら、全て頭の中から忘れる。
「ノートにあるんだから、また見直したときに考えれば良い」と忘れるように心がけています。
すると、頭の中がスッキリして、気持ちもスッキリしてきます。
HSPの方で色々なことに疲弊して、漠然とした将来の不安を抱えている方もいるかもしれません。思考を書き出してみて、少しずつ具体化していくと、色々なことがクリアになっていくのではないでしょうか。
たくさんの情報を受信してしまい、心が揺れて不安定になっているかもしれません。
そういうときは、1つ1つを心に留めてしまう前にノートに流してしまいましょう。
「どうしてあんな言い方をするんだろう」という気持ちをメモにはき出してしまいましょう。
2-2. HSPの僕たちが言われがちな言葉たちとどう向き合うのか
会社で働いていると、タフな人が多くて、繊細な人は少数派ということは少なくありません。
繊細な人は会社などの集団で困難に直面することが多く、上手くいかない状況に周りの人から様々なアドバイスをもらうこともあります。
しかし、その言葉たちが負担になってしまうことも。
1.「気にしすぎだよ」
僕はこの言葉をよく仕事で言われていました。
細かいところに気が及んでいって、不安要素を挙げていくと、決まってアドバイスされるのがこの「気にしすぎ」という言葉。
2.「もっと自信持っていいよ」
細かいところにも気づきがちなHSPの人は細部まで心配事を考えてしまうと思います。
境界線の厚いタフな人から見ると、自信なさげにも見えてしまうこともあるのだと思います。
3.「HSPという単語で自分を表現することで余計にストレスを背負ってしまうのでは」
周りの人に相談したりするときに言われてしまいがちな言葉かもしれません。
しかし、この言葉で本を見つけられたり、検索エンジンが使えたりするので、過剰に意識するのでもない限り、こういう気質で生きにくさを感じているならば、自分のことをよく知り、何かあった時に困惑したり自分を見失わずに自信を持つことができます。
こういう言葉は、相手があなたのことを想って言ってくれるケースが少なくないかもしれません。
しかし、気質からくるものを変えるのは難しいですし、僕は繊細さから「気にしたり」「自信なさげだったり」というのは、変える必要ないと思います。
なので、そういう場合は、その優しい気持ちだけ受け取って、感謝の気持ちを伝えるので十分だと思います。
PART3 : 繊細すぎる僕たちの『5つの特徴』から『適職』を考える
繊細な人の中には、職業のことで悩みを持つ方が少なくないと思います。
ここでは、繊細な人が持つ特徴から、どんな職が適しているのか考えていきます。
3-1. 繊細な人に起こりがちな『仕事事情』
繊細な気質柄、HSPの人の中には仕事が続かなくて、転職しても半年とか短い期間で辞めている方も少なくないかもしれません。それがパワハラなどのある職場だと尚更です。
僕もそうですが、繊細な人の仕事事情は大きな問題にもなります。
小さい頃から頑張って周囲に合わせてきて、社会に出て働き始めたけれど、「この気質でこのさき生きていけるのか」と不安になっている人もいるかもしれません。
3-2. 会社で働く上で弊害をもたらす 繊細な人の『5つの特徴』
まず初めに、繊細な人の多くが共通して抱える特徴を5つ挙げていきます。
1.些細な変化を察知する『高感度センサー』
他の人が気づかないような些細なことに気がつきます。
音や匂い、熱など五感で感じるものにも人それぞれに弱いものがあるケースもあったり、人が動く気配や聞こえる会話なども気になってしまうこともあります。
2.1つ1つの言葉を重く捉えて『深く処理する』
少し言葉を交わしただけでも、背景や相手のことを察したり、物事を深く考えます。
自分の言ったことや相手に言われたことに対して、「相手はこう思ってしまったのでは」「あの人のあの言葉はこういう意味だったのかな」とか常に考えてしまいます。
なので、微妙なニュアンスから相手の感情を読み取ってしまうことも。
3.『周りの刺激に影響』を受けやすく、感情の揺れが大きい
人の悪意やネガティブなオーラに敏感で、自分に向けられるものでなくても傷つきやすいことがあります。
人と一緒にいると、たとえそれが楽しい時間でも、ものすごく疲れやすく数時間でぐったりなんてことも。
一日中頑張ったり、いくつも予定を入れると、終わった後に体調に出てしまう人もいるかもしれません。
なので、刺激をシャットアウトできる1人の時間が必要になります。
4.『良心と誠実さ』が強く、競争が苦手
文章など含めて礼儀正しく誠実に対応したいと強く思っています。
そして、それは仕事でも同じなので、同僚と競争することが苦手だったり、お客さんに誠実に接することができないと心の不具合に繋がってしまうことも。
5.『共感性』が強く、感情移入してしまう
周りの人の感情をまるで自分の事のように感じ取ります。
テレビのニュースなどで理不尽なことを見てしまうと、強く感情移入してしまうことも。
僕はお守りや本など、モノにも感情移入してしまうこともあります。
5つの特徴は会社で働く上では、時に働きづらさをもたらしてしまいます。
しかし、弊害をもたらすこともある僕たちの特徴は、適切な環境下では才能にもなります。
自分自身に当てはまる特徴を理解して、その才能が求められる職業を探していくことで、適職を見つけることができるのではないでしょうか。
3-3. 5つの特徴が求められる繊細な人の『適職』たち
僕は人のドキュメンタリー系の番組を見るのが好きで、その中では繊細な気質の人がよく登場します。
変わった生き方をする人が取り上げられるので、その中で能力を生かしている人も参考にしていきます。
1.『高感度センサー』が求められる職業
他の人が気づかないような些細な変化も察知してしまうというのは、例えば「カウンセラー、デザイナー、管理栄養士」のように、職業によっては必要なスキルになります。
2.『深く処理する』ことが求められる職業
1つ1つの言葉を重く受け止めて深く考えていくというのは、一度に複数のタスクをこなす必要のあるお仕事では作業効率が悪かったり、仕事が遅くなってしまうこともあるかもしれません。
しかし、「研究者、校閲者、辞書編纂者」のような1つのことに集中して深く掘り下げて考えることが必要な職業においては、それが大きな強みになります。
3.『周りの刺激に影響』されることが生かされる職業
ネガティブな感情に影響を受けてしまうと、感情が悪い方へ揺れてしまい落ち込んでしまいます。
一方で、良い影響を受けることができれば、それは充実した感情で働くことができるのではないでしょうか。
生き物と向き合う「動物園、水族館」や植物と向き合う「農業、植物園」のようなお仕事でそれが生かされるかもしれません。
4.『良心と誠実さ』が求められる職業
誰かのために情報を取捨選択していく「キュレーター」のようなお仕事。
他にも児童養護施設など社会福祉施設の「相談者」のような、競争ではなく1人の人のために向き合っていくお仕事で力が発揮されます。
5.『共感性』が求められる職業
感情移入してしまうほど共感性が強いと、大勢の人やたくさんの物事に感情移入していると気持ちがもたないです。
「編集者、出版業」のような一人一人の作者の伝えたい想いに感情移入していくようなお仕事は、能力が生きるのではないでしょうか。
それぞれの特徴がそれぞれに影響を及ぼし合っていて、どれがどのお仕事に生きるか重なる部分もあります。
それに、どれかに当てはまっていても、一つでも当てはまらない部分があると続けられないということも。
参考にしながら、ご自身の特性と照らし合わせながら考えていくのが良いかもしれません。
3-4. 繊細な人が会社で働く上で覚えておかないといけないこと
周りの人の感情を汲んでしまいやすい繊細な人。
僕もそうでしたが、繊細な人は会社で体調崩す人が少なくないと思います。
他者との間の境界線が薄く、優しすぎるが故にタフな人の言葉が致命傷になって精神的に崩れてしまうこともあるのかもしれません。
そんな繊細な人が覚えておかなければならないのが、「もうダメだ」と思ったら、すぐ逃げることです。
まずは自分自身の体調が一番大切ということです。
僕はサラリーマン的な環境は繊細な人には合わないケースが多いと思っています。
僕の感覚ですが、経営者の人や会社の上の人は人との境界線が厚いタフな人が多いと思います。
境界線が薄い優しい人はどこかで体調崩していることが少なくないのかもしれません。
そういう環境下でHSPの人は圧倒的な弱者になってしまうので、タフな人の元で働くというのは適さないケースもあります。
PART4 : 繊細すぎる僕たちの『経済的自立』を考える
繊細な人の中には、フルタイムで働くのが難しいどころか、時間を短くしても働くことができなかったりということもあります。
中には、連続で長い時間働けなくて、短い時間のアルバイトを掛け持ちして収入を保っている人も。
一度会社で体調を崩したらなかなか再び転職して働き出すのが難しい場合もあるかもしれません。ここでは、繊細な人が経済的自立をしていくためのステップを考えていきます。
4-1. まず支出をコントロールする
休み休み働く必要があるという場合は、まず固定費から支出を見直してみるというのがオススメです。
支出が多いとそのぶん収入を得なければいけなくなってしまい、働く時間が長くなってしまいます。
なので、繊細で働く時間を抑えたい場合には、必要な収入をできる限り減らすことは大切です。
固定費で大きいのが、家賃や光熱費など。
僕の場合は、以前一人暮らしをしていましたが、最初に会社で体調崩したタイミングで実家へ戻りました。
他にも都市にいる場合は、地方へ移ってみるのも方法の1つかもしれません。
あとは、毎月払っているもの。
例えば、保険関係や雑誌などの定期購読。
僕の場合は大きい図書館が近くにあったので、読んでいた雑誌はそこで読むようにしていました。
4-2. 次に必要な収入を考える
支出を抑えたところで、次に必要な収入を考えます。
支出を抑えると、金額的に見れば、意外にアルバイトでも足りてしまうということもあるかもしれません。
そうすれば自分のやりたいことを探しながら段階的に無理なくステップアップしていく道だって考えられます。
僕はブログで多少の収入が出来始めましたが、こういう自宅でできるお仕事からの収入が大きくなっていけば、刺激の多い場所で働く時間を少なくしていくこともできると思っています。
それに、自宅と外では疲れ方が全く違うので、外でのお仕事が少なくなれば無理なく働くことができるようになるのだと思います。
4-3. 僕が踏んできた働き方のステップ
僕の場合は、将来的にはブログだけで収入を得ていくことを目標にしているので、それに向けてステップを踏んでいます。
あなたが持続的にできる働き方を最終的な目標に据えて、段階的にステップ踏んでいくことを計画すると良いかもしれません。
僕が正社員を辞めてからこれまでにしてきた働き方は、
・派遣+ブログ副業
・ブログ+雇用保険
・ブログに専念
正社員のときは体調崩しましたし、体力的にも精神的にも辛いことが多かったです。
しかし、派遣に変えて労働時間を抑えて、副業としてブログを始めた頃から少しずつ続けられる感じが出てきました。
あとは、ブログの収入によってはアルバイトも探し始めていて、無理なくブログを続けていきながら刺激の少ないアルバイトをすることも考えています。
PART5 : 繊細な人が力を発揮する『天職の見つけ方』を考える
繊細さに適している職業は見つけていくことができるかもしれませんが、『天職』と呼べるほどの職業を見つけるのは難しいこともあるかもしれません。
そんなとき、どのように『天職』を探していけば良いのでしょうか。
この章では、『繊細な人』が『天職』を見つける方法を考えていきます。
5-1. HSPの気質は治すのではなく、生かす!?
HSPの方はわかっていることかもしれませんが、この気質は軽減はできるかもしれませんが、なくすのは難しいです。
会社や学校で理解してもらえるかどうかはその環境によると思うので、理解されないことで「治したい」と考えている方もいると思います。
しかし、せっかく『繊細さ』というレアカードを持ったのですから、その才能を人のために使おうという姿勢で過ごしていくことができれば、どんどん良くなっていくかもしれません。
なんでもそうですが、繊細な機械は扱うのが難しく、壊れやすいです。
今の時代、自分で環境を選んで生きやすい環境を見つけていくことは不可能ではないです。
5-2. 職業選択ではじめにしたいこと
職業を選ぶとき、まず始めに考えたいことがあります。
それは、
・どこかの職場へ入るか
・自分で環境を作っていくか
のどちらを目指すのか決めることだと思います。
「内向的な人が多そう」とか「繊細な人もいそう」という職場を探すことができれば、繊細な人にも過ごしやすい環境も見つけることができるかもしれません。
そうでない場合は、自分で自営で環境を作っていくのも選択肢の1つだと思います。
今はインターネットを使うことができるので、実際にそうしている人も増えています。
繊細な人にとって、自営でやっていくことのメリットは、自分で働く時間をコントロールすることができるという点です。
これは、働く時間を減らすという意味ではなく、疲れてしまうやすいのであれば「2時間働いて1時間休む」というのを繰り返すなど、自分でコントロールすることができるということです。
僕の場合、会社員で働いている時期は平日9時~18時に働いていましたが、1日8時間働くとその日は家に帰ると頭痛が始まってしまったり、その日はぐったりしてそのまま寝てしまったりということもありました。なので、いつも疲れていました。
しかし、一方で自宅でブログに専念している時期は、休み休みではありますが、ほとんど1日中ブログのことをしていて、週末関係なく進めていますが、刺激が少なく疲労はほとんどないです。
調子が良い日には夜中の3時ぐらいまで進めていることもあるくらいです。
このように、繊細な人の中には、刺激を減らして自分で休む時間を決められるだけで、元気に働くことができるという人は少なくないのではないでしょうか。
5-3. 繊細な人が力を発揮するためには感情移入できることを見つける
繊細な人が力を発揮するためには、「感情移入できることを見つける」ことが有効です。
HSP気質の方には「これだ!」というものが見つかったときに没頭するということがあります。
スーザン・ケインさんの「QUIET 内向型人間の時代」の中に「繊細な人はコア・パーソナル・プロジェクトを持つことで力を発揮できる」という話があります。
このコア・パーソナル・プロジェクトとは、『心からあなたが大切に思える仕事』ということです。
例えば、両親が教師で、自分も教師になろうとしている場合。
もし自分自身が、「教師になることが両親の願いなので、自分自身の生き方の王道だ」という理由でその道を選んでいる場合、それは『心からあなたが大切に思える仕事』ではありません。
一方で、あなたが例えばニュースで子供の教育現場のことを知って、何か問題点を持って「こうしたい」と心から思っているのなら、それは『心からあなたが大切に思える仕事』かもしれません。
繊細な人が力を発揮するのには、自分自身の心の奥底にある価値観に支えられていることが必須です。
PART6 :『時代性』から繊細な人の活躍の場を考える
今の社会は、繊細な人が生きづらさを感じる社会だと思います。しかし、これまでのサラリーマンが主流の時代ではそうかもしれませんが、時代によって活躍できる人は変わります。
時代の恩恵を受けることができれば、繊細さに悩む僕たちも働きやすくなるかもしれません。
ここでは、『時代性』から『繊細さ』を考えていきます。
6-1. HSPは才能であり、時代によって求められる人は違う
これまでの社会はサラリーマンが主流で、繊細すぎて会社で働くのが難しいと生きるのが大変だったかもしれません。
しかし、時代によって求められる人・活躍できる人は変わります。
ブロガーのちきりんさんが自身のブログで書かれていましたが、どの時代にも一定数の適応できないタイプの人はいるのだそうです。
例えば、産業革命の前の職人が求められている時代に、今サラリーマンで活躍できる人が当時職人として活躍できたとは限りません。
その時代には、1人で黙々と繊細な作業に打ち込める人というのはすごいことだったのではないでしょうか。
戦後に主流になったサラリーマンの時代だからこそ、僕たちの悩みである繊細な人の気質は際立ってしまうのかもしれません。
僕はまだ生まれていないような年代のことですが、「24時間働けますか」というCMが流行った頃がありました。
それが表しているように、製造業が主流の時代では体力が求められていました。
APU学長をされている出口治明さんという方が言っていましたが、 “専業主婦” や “寿退社” というのは、製造業主流の経済を成長させるために作られたものであるとのこと。
「HSPで生きづらい」ということとは少し軸が違うかもしれませんが、この時代は同時に会社は男性社会で、女性は出産で退職せざるを得なかったり、昇進が今よりも難しかったりということもあったのだと思います。
今の日本はサービス業がGDPの約7割、働く人の8割近くになったことで、安倍さんが「1億人総活躍」と言って、また変わり始めています。
サービス業が主流の社会では、体力がある人だけでなく、体力なくても考えることが得意な人も求められるのだそうです。
同時に「働き方改革」でサラリーマンの労働時間が減ることにより収入が減って、副業しないといけなくなってきたりすると、その副業の土俵はインターネット上ということは少なくないと思います。
細かいところまで気にしてしまい、その先にいる人のことまで考えてしまうぐらい繊細な人にとっては、その気質が生きるようになるのではないでしょうか。
6-2. 時代には周期がある!?時代の方向性を見つめてみる
以前読んだ本の中に、「日本の現代の歴史は70年周期で移り変わっている」ということを読んだことがあります。
最近で社会の体制が大きく変わったのは、明治維新と太平洋戦争の頃。
明治維新の頃から70年が経った頃に太平洋戦争が終わり、社会制度が大きく変えられていきました。
そして、それから70年が経ったのが2015年頃から今にかけての時期なのだそう。
確かにここ何年ものニュースを見ていると、2019年4月から労働関係の法律変わりますし、幼稚園の義務教育化も大学入試制度の変更も外国人労働者受入の法律など、社会制度の法律がたくさん変えられています。
これまでの社会制度が寿命を迎えているのかもしれません。
社会制度の変化で女性がさらに活躍するようになっていき、そして繊細な人が活躍する環境も大きくなっていくのではないでしょうか。
過去に遡って見ていると、これから僕たちがどんな仕事に就けば良いのか考えさせられます。
もしかしたら、それはサラリーマンという働き方ではないのかもしれません。
6-3. 不可欠な才能だった!HSPの気質が生き残ってきた理由
以前、繊細すぎて生きづらさを感じているという方の中に、「働くこともできないほど繊細な自分なんかがなぜいるのかと思ってしまう」とコメントして、自身の存在意義について悩んでいる方がいました。
それについて「QUIER 内向型人間の時代」という本の中にありましたので、書いていきます。
なぜ、繊細で敏感な特性は長い歴史の中で5人に1人という多さで生き残ってきたのでしょうか。
人が生き残ってきた流れの中で不要なものであれば、淘汰されていくのだと思います。
それでも残ってきた理由がありました。
人のタイプには「行動あるのみタイプ」と「慎重に様子を見るタイプ」という2つに分けることができるのだといいます。
そのどちらも良い悪いというのではなくて、それぞれの性質に必要なタイミングがあるとのこと。
「行動あるのみタイプ」は社会で求められることは多いですが、「慎重に様子を見るタイプ」も求められるタイミングがあるのだといいます。
例えば、ウイルス病や気候変動が多い時代。
細かいところに気づく人は必要になるのだそうです。
僕は北欧に留学していたことがあるのですが、そのために1年間の準備期間を設けて英語を練習したり現地の下見に行ったり、準備をコツコツ進めてから旅立ちました。
一方で、近い友人に同じタイミングで留学をした人がいました。
その人は言葉などの準備を素早く済ませて、早々に旅立ちました。
これは、どちらがうまくいくかということではなくて、その人の特性に合わせた準備の仕方をするのがうまくいく可能性が高くなるということだと思います。
なので、「働くこともできないほど繊細な自分なんかがなぜいるのかと思ってしまう」という方がいるとすれば、それだけ繊細な気質も必要なタイミングが来るのだと思います。
ちなみに、僕も同じようなことを思うことは時々あります。
PART7 : 『働けないほど繊細な人』が才能を生かすことができる『天職』とは
最後に、僕自身の失敗体験と成功体験を比較することで、繊細な人の『心から大切に思える仕事』を探っていきます。
僕は中学や高校、そして社会人になってからも会社でいつも周りの刺激に疲弊して、頻繁に体調崩して、集団生活にずっと悩んできました。
大学受験に失敗して入学したそこらへんの私立大学で、ある社会的な問題を目の当たりにして大きく感情移入してしまいました。
そこからその問題に3年かけて学生なりに取り組み、卒業研究のテーマになりました。
とてもニッチな分野です。
卒業の時期を迎えても感情移入は続いていて、その問題の先進国の大学を受験してまで学びに行くことになりました。
気づけば、北欧の外国人なんて来ないような田舎街まで、体調をよく崩していた自分の身一つでそのニッチなテーマを勉強するために訪れていました。
それは、集団に疲れ果てていた高校時代には想像もつかなかったぐらい、目の前の景色が開けていることに気づきました。
もし今でもその問題に感情移入していたら、ブログを作って、それを仕事にしようとしていたかもしれません。
繊細な人が力を発揮するには、その『繊細な感覚』という “コンパス” を使って、あなた自身の心の奥底にある価値観に支えられた『心から大切に思える仕事』を見つけることが大切です。
僕はこの実体験から、
- 何かに大きく感情移入する
- 競争のない自分のテーマを見つける
- それを仕事にして自分なりにコツコツと取り組んでいく
この3つのステップを踏んでいくことができれば、それが『働けないほど繊細な僕たちが才能を生かす天職』になっていくのかもしれないと思いました。
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